こんにちは。
うらりんです。
暴飲暴食がやめられなかったりすのですが、なにより気をつけたいのは腎臓病です。
腎臓を悪くすると、あらゆることが制限され、我慢しなければならないなんて、とても耐えられそうにありません。
「ためしてガッテン」(2019年1月30日)で、慢性腎臓病について放送されたのでまとめました。
塩分、カロリー制限、タンパク質、運動もダメな病気が、慢性腎臓病です。
腎臓は、年を重ねるだけで、その機能はどんどん低下します。
さらに高血圧や高血糖になると、そのスピードは、ますます早くなり、若くして人工透析になってしまう場合もあります。
決定的な治療法はなく、患者さんはさまざまな制限をしながら、我慢の生活を送っています。
高性能!命を守る腎臓の働き
腎臓の大きさは、だいたい握りこぶしくらいで、そら豆のような形をしています。
最大の役割は「おしっこ」を作ること。
腎臓には、沢山の血液が流れ込みます。
体中を巡ってきた血液には、有害な老廃物が含まれています。
その老廃物をろ過して取り除き、おしっことして外へ出してくれる。
これが腎臓の大切な役割です。
もし、腎臓が壊れてしまうと、老廃物が体にたまって、最悪死に至るのです。
Aさん67歳の場合
Aさん67歳は、2018年に慢性腎臓病の診断を受けました。
入院していた時の食事は、例えばお味噌汁なら、2口で終わってしまうくらいの量です。
Aさんが腎臓病になったきっかけは、糖尿病でした。
血糖値が高いことで、腎臓に負担をかけ、慢性腎臓病になってしまいました。
幸い、人工透析が必要にはなっていません。
しかし、1日1800キロカロリー、塩分6g、タンパク質70g、ごはん180gと制限された生活を強いられています。
血圧を上げる塩分はご法度で、同じくらいの年齢の男性が摂る1日の量は約11gですが、その半分。
食べすぎて太ってしまうと、腎臓に負担がかかります。
タンパク質も平均80gですが、それより若干少ない70g
この日は、目玉焼きと魚の水煮の缶詰だけで、味付けなし。
慢性腎臓病の推定患者数は、約1330万人で、人工透析を行っている人は33万人です。
こうなるまでは、自覚症状がまったくありません。
(腎臓病の)一歩手前でも、まったくわからないのです。
慢性腎臓病の透析
人工透析は、血液中の老廃物を特別な機械を使ってろ過することです。
腕の血管から通した血液を人工透析の機械に取り込み、特殊なフィルターで老廃物を取り除きます。
一般的に1回にかかる透析の時間は、4時間以上で週3回行います。
ずっと症状に気づかない腎臓病ですが、悪化して、ある時、人工透析を受けなければなりませんと告げられてしまうのです。
食事制限以外に、生活制限として、仕事は座ってできるもの。
家事などは、ごく軽いものだけ。
いわゆる運動はやめましょう。
ガッテン慢性腎臓病の原因
腎臓の中を見ると、毛細血管の上に、タコの形のタコ足細胞が、たくさんあります。
わかりやすく緑色と紫に色をつけて見てみると
このタコ足細胞をわかりやすく見てみると、タコ足細胞が互い違いに組み合わさっています。
足と足の間には、わずかに隙間が空いています。
この隙間が、ポイントです。
この隙間が、おしっこを作る上で重要な役割を持っています。
腎臓の中の毛細血管があります。
腎臓は、血液から老廃物をろ過して、それをおしっこにしている器官です。
血管には、小さな無数の穴が開いていて、その穴から出ていくものを、タコ足細胞がコントロールしているのです。
タンパク質や、脂質など体で使われるようなモノがあると、タコ足細胞は通しません。
腎臓病の患者さんは、さまざまな制限を受けるのは、このタコ足細胞に関係があるのです。
タンパク質を沢山摂ると、老廃物がたくさん出ます。
そうするとタコ足細胞に、負担がかかります。
さらに塩分の多いものを食べると、血圧が上がります。
血圧が上がると、タコ足細胞にも圧力がかかります。
運動をすると、これまでタコ足細胞がブロックしていたタンパク質が、無理やりすり抜けてしまうのです。
これらのことが、タコ足細胞に負担をかけると考えられてきました。
この状態が続くと、タコ足細胞が離れてしまい、尿として排泄されてしまうと、二度と再生しません。
慢性腎臓病は、このタコ足細胞が、どんどんいなくなってしまう病気です。
タコ足細胞を30年間研究している、筑波大学の長田道夫教授によると、タコ足細胞が1つやられると、隣が元気であっても元気なタコ足細胞も障害されるのです。
ドミノが倒れるような状態になるので、1個でもタコ足細胞が壊れると、障害が非常に強い場合には、隣の細胞も障害されてしまうのです。
タコ足細胞がある程度までしか残らなくなってしまうと、人工透析を受けなくてはならないのです。
東北大学大学院上月正博教授
東北大学大学院上月正博教授の慢性腎臓病の功績は世界的に有名です。
2018年、上月教授は心臓や腎臓の研究分野でただいな業績を残した人に送られるハンスセリ賞を受賞しています。
上月教授が受賞した理由は、腎臓を守るワザの発見で、まさにコペルニクス的な発見なのです。
それは「運動」です。
運動は、ご法度と言われていますが、上月教授は20年以上、この研究を続けてきました。
上月教授自身、20年前までは患者さんの運動を制限していました。
しかし、ずっとある悩みを抱えていました。
それは、腎臓を守るため体を動かすことを制限される患者さんは、それにより筋肉が衰えてしまい、寝たきりにつながってしまうなど問題を抱えることが少なくありませんでした。
上月教授は、「ほんとうに運動をしてはいけないのだろうか」と疑問に持ちます。
実は、健康な人でも運動をすると、尿にたんぱくが混ざることがあります。
そのこと自体から、運動自体が腎臓に負担をかけると考えられてきました。
大きなタンパク質が尿に混ざるとゆうことは、タコ足細胞が上手にろ過をできなくなっている証拠だというのです。
そこで上月教授は、世界中の研究を確認しました。
しかし、運動が腎臓に悪いということを明確に示した研究は、ついに見つけることはできませんでした。
そこで上月教授は、自分で動物実験をしたところ、運動ありより運動なしの方が、腎臓へダメージがあることがわかりました。
最初は、間違えたのかと思い3回繰り返して実験しましたが、3回とも運動した動物の方が、運動をしない動物よりもタンパク尿の増加が抑えられたのです。
運動が、腎臓を保護することを発見した。
常識を覆す大発見をします。
上月教授は、論文する前に、親しい研究者に成果を伝えましたが、周囲の反応は散々なものでした。
「もう君とは友達じゃない」と明言した偉い先生もたくさんいました。
ですが、上月教授は、あきらめませんでした。
研究をまとめ、論文を発表します。
運動した方が、腎臓へのダメージが少ないことを世界に先駆けデータで示したのです。
さらに上月教授は、知り合いの医師に運動器具を配布して、自分たちの患者に運動をやってもらうようにお願いします。
地道な活動を続けること、およそ20年。
2018年、腎臓リハビリテーションガイドラインをまとめました。
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ある患者さんがマラソンをしたら腎臓が悪くなったと言って、そこから運動はすべてダメという誤解が広がったのではと上月教授は話します。
運動をすると、たんぱく尿が出ると、たんぱく尿が出ることが、腎臓が悪いのかと言うと、たんぱく尿が出るのは、一時的に出るだけで、24時間で見た場合は、たんぱく尿は増えない。
強い運動は良くない。というハズだったはずです。
上月正博教授の歩み
1981年、医師となる
患者さんに、安静を進めます。
1995年、動物実験
腎臓の悪い動物に、運動をさせるとたんぱく尿が出るだろうと予想したところ、実際はたんぱく尿は減りました。
2001年、運動の効果の論文を発表
2011年、腎臓リハビリテーション学会設立
患者さんで検証
2016年、診療報酬適用
2018年、ガイドライン発刊
ガッテン慢性腎臓病運動の効果
運動をすることで、一酸化窒素の作用で血管が広がり、圧力が減りタコ足細胞に負担がかからないで、血液がろ過されるのです。
運動をして、タコ足細胞に対する負担が減る。
元気のなかったところが、若返ってくるのです。
隙間ができてしまったタコ足細胞の手が伸びて、隙間が小さくなるのです!
タンパク質は出られないけれど、老廃物が出られる隙間は確保されます。
他にも仮設がいくつかありますが、十分には解明されていません。
ガッテン慢性腎臓病リハビリテーション学会ガイドライン
食事療法、薬物療法、精神的なケアといった従来の治療に運動療法を加えた新しい治療プログラムです。
まだまだ初歩の段階です。
運動なし
運動なしの患者さんは、薬物治療や食事量をしても、年々腎臓の機能が落ちてきます。
運動あり
1年2か月ほど、運動療法を取り入れた患者さんは、247人中、悪化したのは46人、改善した人は20人、状態維持した人は181人でした。
状態維持している人たちは、人工透析を先延ばしできる可能性が高くなりました。
運動の目安
運動の目安は、息切れしてしまう運動はあまりよくありません。
階段を急に上がるような運動は、筋肉をつけるには良いですが、腎臓病には、筋肉をつけるだけではなく、血管を若返らすことが目標です。
散歩や自転車こぎ。
あとは軽い筋トレ。
息を止めない運動がのぞましいです。
ただ注意しなければいけない患者さんは、慢性腎臓病であっても、急に腎機能が落ちてきている患者さんや、慢性ではなく急性の腎臓病の患者さんは、運動をやらない方がいいです。
※体の状態によっては、運動をしてはいけない場合もあります。
必ず医師と相談の上、運動をはじめてください。
今では、上月教授のお友達はみんな戻ってきてくれました。
運動は制限されるものではなく、治療として行うものとしています。
明るくて楽しくて、お金もあまりかからない。
何より、やっている患者さんが、笑顔になれる。
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川崎市立多摩病院
川崎市立多摩病院では、年2回、患者さんたちに運動を指導する教室を開いています。
病院がすすめているのはウォーキングで、目標は5000歩です。
番組の冒頭で紹介されたAさんは、盆踊りを定期的に町の集会場で9曲かけて踊ります。
大好きな盆踊りが治療につながると知り、気持ちが前向きになりました。
「食事の制限はありますが、腎臓が悪いとは思っていないそうです。
楽しくてしょうがないです!」
息があがらない程度の運動を長く続けることが、腎臓を守るための秘訣なんです。
腎臓の状態によっては運動をしてはいけない場合もあります。
必ず、医師と相談の上、自分にあった運動をしてください。
ガッテン慢性腎臓病チェック法!
健康診断表の項目にある、「尿」の「たんぱく」で「マイナス」なら異常がありません。
しかし「プラス」がついたら要注意です。
タコ足細胞が、傷ついている可能性があります。
さらに「プラス」が2つ、3つついている場合は、病気が進行している可能性もあります。
かかりつけの医師に相談することをおすすめします。
また「プラスマイナス」という結果もあります。
これは経過観察、もしくは2年連続で出たら、かかりつけの病院で相談してください。
そして腎臓の状態をさらに詳しく知ることができるのは「腎臓」の「血清クレアチニン」の値です。
この「クレアチニンの値」と年齢がわかれば、腎臓の働き具合が点数にしてわかるのです。
白い以外の60点未満は、すべて慢性腎臓病の疑いがあり。
この場合も、かかりつけ医に相談してください。
腎臓の働き早見表
FAXでも取り寄せられます。
0570-033-733
ボックス番号:55055
2019年11月28日放送された「主治医が見つかる診療所」での腎臓病に関してコチラも良ければお読みください。
【主治医が見つかる診療所】腎臓体操のやり方!早期チェックポイント
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