昔ながらのレシピで丁寧な仕事の、浅草のアンヂェラスがたくさんの人から惜しまれ2019年3月17日をもって閉店しました。
ずっとあるものと思っていたのに、神保町の柏水堂や、青山のシャンドンもいつの間にか閉店してしまったりと、はかないものを感じます。
そんなアンヂェラスについて復活はあるのか、閉店理由の老朽化はホントなのかまとめてみました。
浅草のアンヂェラスの復活はある?
今さらなのですが、店舗が生き残るために、好きな飲食店を応援するサイトがあります。
“マイひいきコム”
アンヂェラスの復活は大歓迎なのですが、アンヂェラスのインスタグラムを見ると
アンヂェラス閉店の理由老朽化ホント?
老朽化ということですが、この辺のお店の維持が大変だと聞きました。
昔からの中小のお店が存続できるような法整備をして欲しいと個人的に思います。
創業者、澤田要蔵さんは、1983年に79歳でお亡くなりになり、妻の露子さんは2006年に92歳で亡くなります。
その後は、親族により引き継がれてきました。
アンヂェラス浅草
創業者、澤田要蔵さん夫妻は戦後、焼け野原の東京に人が集まれる場所を作りたいと、1946年1月1日に急ごしらえの喫茶店を開店します。
その後、浅草は「古い繁華街」として寂れる一方、澤田さんは浅草商店街のリーダーとして「浅草の復興運動」を続けていたそうです。
店が面しているオレンジ通りは、もともと区役所通りと呼ばれていました。
現在の浅草公会堂は旧浅草区役所を建て替えたものになりますが、区役所通りは一等地でもありました。
店は平屋で建てられたのですが、お客が増えるにしたがって、中に2階を作り、屋根裏が3階となります。
澤田さんは呉服屋の生まれで、人気スター長谷川一夫などと交流があり、お店が開店すると、古川ロッパ、安藤鶴夫、玉川一郎、サトウ・ハチロー、久保田万太郎、高見順、川端康成、太宰治、手塚治虫などが来店。
入り口わきのテーブルは私設「記者クラブ」として、新聞記者のたまり場に提供すると、コーヒーをサービスしていました。
蝶ネクタイで身なりをきちんとしていた澤田さんだが、澤田さんは空手使いで喧嘩が強く、若いころには多くの武勇伝を持っていたそうです。
「銀座のクラブでけんかになると、2階からシャンデリアにぶら下がって飛び降りて闘った」
「観光客にたかっているチンピラを見つけると、いきなりビンタしますが、親分が仕返しに来るかと案じていると、若いものが迷惑かけたと謝りに来た。」
映画さながらの風景も、お店に華を添えたのかもしれません。
澤田さんの奥さんは、クリスチャンで店名の「アンヂェラス」というのは、カトリック教会の祈りの時刻を知らせる合図の鐘の音を意味します。
聖母マリアへの天使のキリスト受胎告知を祝し、感謝する毎日3回のお祈りの意味が込められています。
吹き抜けの建物や椅子、窓など、礼拝堂を思わせるような造りになっています。
澤田さんは1983年に79歳で亡くなり、妻の露子さんは2006年に92歳で亡くなります。
その後、アンヂェラスの経営は親族によって引き継がれてきました。
アンヂェラス浅草のメニューレモンパイケーキ!
メニューは、フルーツポンチやモカロール、梅ダッチコーヒーは、すでに販売をやめています。
ホールケーキの予約も終了。
時間や日によっては、売られていないものもありました。
アップルパイは、シナモンの利いたりんごの食感がほどよくシャキシャキして、レーズンがアクセントになっています。
ミルクセーキは、卵黄のくどさがなく、すっきりした甘さでした。
レモンパイは、上にのっているメレンゲが重そうに見えますが、程よい酸味と相まってパクっと食べました。
プリンアラモードとフルーツパフェで、悩むところですが、可能なら両方試したいところ。
プリンアラモードは、手作りの卵プリンがついてきますが、フルーツパフェは、見た目がステキ!
それでいて見た目ほど、重くないので、こちらもパクっと食べられます。
イチゴ好きは、イチゴパフェでしょうけれど、いろいろなフルーツが楽しめるフルーツパフェがおすすめです。
プリンローヤルは、プリンに生クリームが添えられたシンプルなもの。
ピーチメルバは、生クリームの下に、アイスクリームがあります。
「アンヂェラス」の「A」の文字が入った年代物のカップが、また愛らしい。
アンヂェラス浅草のメニューチョコレートサンデー
アイスがかわいらしく盛りつけられ、飾りの生クリームが天使の羽のごとく愛らしく、さらに赤いチェリーが彩を添えてくれます。
シンプルなのですが、チョコレートソースたっぷりで、満足。
アンヂェラス浅草のメニューアイスクリーム
ドライアイスを使って、モダンな演出のアイスクリームは、手作りバニラの美味しさが味わえます。
これまた、量がかわいらしいのですけれど、多ければ良いというモノではないんですよね。
アンヂェラス浅草のメニューカフェオレ
カフェオレは、生クリームを使っていて、あまりカフェオレっぽくなく、やさしい味わいです。
アンヂェラス浅草の閉店で行列待ち時間?
閉店間際なので、3時間以上待ちは当たり前のようです。
開店時間には、すでに200人とか!
レモンパイは15分で完売。
ケーキ類は、13時くらいには売り切れになってしまうようなので、お店の開店の少なくとも1時間前には行きたいところです。
まとめ
アンヂェラスは遠い部類に入っていたのですが、閉店となって、もう味わうことができないだろうと何度か足を運びました。
個人的には、バタークリームを使ったモカロールと、メレンゲたっぷりのレモンパイが美味しかったです。
日本人のつつましさを形作ったかのような、どれも昭和規格な感じですが、美意識と仕事の丁寧さは、グンを抜いていると思います。
ぜいたくで華美なものにあふれる中、機械の大量生産では得られないものを得られ、長年愛されてきたお店だというのが良く分かりました。
ただ美味しさだけでなく、盛り付け方やバタークリームを使った店名にもなっているアンヂェラスの作りの繊細さなど、美意識を教えられました。
太宰治、川端康成、手塚治虫などが、贔屓にしていたというのもわかります。
表向きは、建物の老朽化ということですが、浅草は借地権の問題やショバ代が高くて、アンヂェラス以外にも畳まざる負えなくなったお店があるそうです。
そういうところ、なんとか行政が助けてくれればと思うのに残念。
技術を継承する人、いないのかな。
コメント